沖縄の住宅は内地(本土)とは異なる独特な要素をもっています。
有名なのはシーサーですね。
家の門や屋根の上に守り神として、沖縄の住宅や公共建築でもよく見かけられます。
今回ご紹介するのは、「石敢當(いしがんとう)」です。
沖縄の住宅を見てみると結構な頻度で、敷地の角や門扉周りに「石敢當」があります。
シーサーと同様に魔除けを意図していて、沖縄では市中を徘徊する魔物「マジムン」は
直進する性質を持つため、T字路や三叉路といった道の突き当りに位置する場所や、
角地によく見られます。
魔物は「石敢當」にあたると砕け散るとされています。
由来は中国伝来の風習で、台湾・ミャンマー・シンガポールなどでも見受けられるようです。
またその形状や素材は地域や場所によって多種多様で、コンクリートに描いてあるものや、
表札のように固定されているもの、灯篭のような形など色々あります。
住宅を構成する要素は様々ありますが、その風土ならではの特徴に気付いて思いを馳せてみると、
歴史や宗教、また世界ともつながるひとつの面白い側面だと思います。
沖縄にいらした際は是非探してみて下さいね。


文・写真:村上 信太郎