皆さんのなじみのある一円玉に使われている素材で、
住宅では窓に使われている、というイメージがわく素材ではないでしょうか。
1円玉は純度100%の純アルミニウム製ですが、
種々の元素を添加して合金とした物をアルミニウム合金と呼び、
材料へのニーズが多様化している時代において飲料水の缶から自転車や自動車、
様々な所に使用されているアルミニウムです。
現在ではなじみのある素材ですが昔は単体での産出が稀少だった為、発見が19世紀初頭と非常に遅く、
精錬に大量の電力を必要とするので工業原料として広く使用されるようになるのは20世紀に入ってからと、
金属としての使用の歴史は他の重要金属に比べて非常に浅い金属なのです。
純アルミニウムにない特性を付加する為、他の元素を添加してアルミニウム合金とすることで様々な分野で活用されており、
よく知られている従来の特性にとどまらず新たな機能性を付加して、先端分野へ着実に展開されています。
特性として金属の中でとても軽くて強度も高く、錆びにくい。
鋳造しやすく接合もしやすい為に加工がしやすく、磁気を帯びないのですが電気はよく通す。
熱をよく伝えますが低温に強く、真空特性が良く融点が低い為に簡単に再生できる。
何よりよく磨くと赤外線や紫外線、電磁波等各種熱線をよく反射することを利用すると、
鏡面加工を施してこの特性が高めることによりエレクトロニクス分野での需要が高く、
電子医療機器や宇宙開発最先端技術の様々な用途の製品に活用されております。
1950年代には軽量鉄骨の構造フレームとしたプレハブ住宅メーカーが誕生し、
住宅のプレハブ(組立)、工場生産・量産化はアルミの建築構造の研究と併せ、
アルミ業界におけるアルミハウスの取組みが加速され、様々な建築資材へと広がり現在に至っております。
様々な分野で拡がりをみせており、今後も楽しみな素材です。

文:村中陽平