壁や天井の石膏ボードなどの下地の上に張り保護や装飾するための紙や布、合成樹脂などで出来たシートの総称で、クロスともいわれております。
壁紙は紙製の内装仕上げ材としてヨーロッパで作られ始め、8世紀頃から紙に意匠を印刷したものを文房具や壁面に貼るという行為が記録されています。16世紀からは印刷された内装仕上げ材として壁紙がヨーロッパ主要国で広く普及しております。壁紙が登場する前までの室内装飾材料は、フレスコ画、毛織物、革壁などで、当時最先端であった紙を素材に印刷やエンボスなど様々な加工法によって比較的大量に生産でき、工芸品に比較すれば安価な装飾材として壁紙が普及してきました。
日本の普及は東京オリンピック時のホテル建設ラッシュによる需要がきっかけとなり、住宅公団に採用されることなどを契機に住宅に使用され、拍車が掛かりました。
壁紙は材料区分により下記に分類されます。
1.紙系壁紙
主素材:紙(普通紙、難燃紙、紙布。表面化粧層にプラスチックを20g/m 2以上使用したものを除く)。
2.繊維系壁紙
主素材:有機質の繊維。植物性繊維またはレーヨン等のセルロース系再生繊維(化学繊維との混紡・ 交織などを含む)。化学繊維(アクリル、ポリエステル等)。動物性繊維織物を主素材とする壁紙。
3.塩化ビニル樹脂系壁紙
主素材:塩化ビニル樹脂か表面化粧層に20g/m2以上塩化ビニル樹脂(裏打ち材には普通紙、難燃紙、無機質紙、織布などが用いられることがある)。
4.プラスチック系壁紙
主素材:裏打ち材には普通紙、難燃紙、無機質紙、織布など。
5.無機質系壁紙
主素材:無機質紙・無機質骨材・ガラス繊維など無機質(表面化粧層にプラスチックを20g/m 2以上使用したものを除く)。
6.その他
特有の施工法による壁紙や上記の5種類に該当しないもの。
アレルギー体質の方や自然素材を求める方は、接着剤を用いて張り付けるためシックハウス対策としてホルムアルデヒドが飛散しにくい接着剤への転換・改善が進んでいますが、まだ完全に問題が生じないまでには至っておらず、壁紙が悪いわけではありませんが他の内装材を求める流れは致し方がない状態となります。
費用対効果の高い建材であることは明白であり、多様化するライフスタイルを表現するのに、国内だけではなく日本人の感性とは違う本場デザインの国外の品を物色してみると、とても面白く気に入る壁紙がきっと見つかると思います。



◆文章
村中 陽平
◆無料写真素材
photoAC(https://www.photo-ac.com/)