熱絶縁材、保温材と呼称され、熱移動や熱伝達を減少させるものの総称。物理などの科学分野での断熱とは主に熱移動が無いことをさしますが、建築など工学的分野の文脈で断熱を用いる場合は熱伝導を抑える抵抗の働きをすることを言います。
体質や体感で熱い寒いと感じる温度は人それぞれとなり、健康やお住まいの快適性を向上させる一つのポイントになる建材。また温暖化に伴う地球環境の変化が年々顕著になってきている為、年々住まい手の意識も高まり、国や業界は対応を求められてきておりますのでこの題材はコラムを3回に分けてご提供したいと思います。
現在利用されている断熱材は大きく2種類に分類されており、密度の低いウール状繊維で熱伝導率の低い空気を簡易に保持した繊維系断熱材料と固体の中に気体の小泡を多量に持つ発泡系断熱材料になります。
これらの材料には断熱性能以外の性能も多分に含まれておりますので、ご参考にしてください。
■繊維系断熱材
•グラスウール(耐熱性、吸音性)
•ロックウール(耐熱性、吸音性)
•セルローズファイバー(耐熱性、調湿性、吸音性) 〇
•炭化コルク(耐熱性、調湿性、吸音性) 〇
•羊毛断熱材(調湿性、吸音性) 〇
•ウッドファイバー(蓄熱性、調湿性、吸音性、難燃性):温度湿度の移動を緩和する
〇印:自然系
■発泡系断熱材
•ウレタンフォーム(防水性、現場発泡施工) ※
•フェノールフォーム(耐熱性) ※
•ポリスチレンフォーム(樹脂系では安価、軽量、耐水性) ※
•ビーズ法ポリスチレン(EPS):見た目は市販の発泡スチロールですがEPS建材は難燃剤を含んでおり気泡の内部は空気
•発泡ゴム(FEF):防水性と難燃性が卓越しており、発塵せずアウトガスもありません
•XPS(押し出し法ポリスチレン):圧縮に比較的強く、断熱ガスが充填されたものもあります
※印:樹脂系
となり、遮熱塗料(材料中の気泡の対流による熱伝達を抑制し効果を高めた断熱材や材質表面の反射率を高め熱放射を妨げた断熱材料)も断熱材の一種となります。
結露に繋がる保湿性や吸湿性。外注による食害。安全性、他等。
何が良くて何が悪いのか、判断基準はどうすれば良いのか、というご質問を頂きます。
回答は一つではなく、その切り口は様々です。
取引や仕入れによるコストから費用対効果も提供する業者によって違ってきます。
また、体質からくるアレルギーがあればその選択肢は必然と絞られてきます。
何を求めているのかを担当者とよく話し合って頂き、最善のご提案を頂く事が宜しいかと思います。
次回のコラムは繊維系断熱材、次々回は発泡系断熱材について落とし込みたいと思います。
ビーズ法ポリスチレン(EPS)

グラスウール

(吹付硬質)ウレタンフォーム

◆文章
村中陽平
◆無料写真素材
写真AC(https://www.photo-ac.com/)
pixabay(https://pixabay.com/ja/)