前回のコラムのアルミニウムが利用されている商品でもある建材、いわゆる「窓」です。
古くは木製やスチール製が多かったのですが、現在ではアルミニウムと樹脂製が主となっています。
専門職の方とやり取りをした際、サッシやサッシュと聞きなれない呼称を使われ、違和感を覚えた方も少なくないと思います。
英語でsashと書くのですが、窓はwindowでは?と疑問を抱かれたかと思います。
サッシとは、窓枠として用いる建材のことをいい、
あるいは、窓枠を用いた建具であるサッシ窓そのものを専門家の方はサッシと呼ぶことが多いです。
英語でsash window(サッシ窓)というときには、上げ下げ窓(ギロチン窓)のことを指すことが多い為、サッシと呼ばれております。
採光・通風・眺望等のため建築物の壁や屋根に開口部を設ける際に活用します。
壁面に開口部をつくる手法は日本では平安時代頃までは、
大陸の影響の強い寺院建築以外にはほとんど使用されてきませんでした。
その後、連子窓・花頭窓・下地窓などが住宅に使われるようになり、
現在みられるような書院窓も普及してきました。
構造・形状などの相違によって様々ですが、取付け位置や機能によって天窓・煙出し窓・高窓・欄間窓・出窓・掃き出し窓などが一般的なものです。
建築基準法では、住宅では窓面積の床面積に対する割合を,
居室では採光のため7分の1以上、有効換気のため20分の1以上を必要と定められていて、建築設計上、採光計算や換気計算、非常用侵入口等の機能があります。
何よりここでお伝えしたいのは、サッシが内部空間と外観に与える役割は非常に大きい、という事です。
設計者が意を凝らす重要な要素の一つとなっており、設計者の好みやセンスが顕著に出てくる為、サッシを配置する際には心血を注ぎます。
建物の外観を語る際にサッシの役割は果てしなく大きい事を踏まえ、一つ一つのサッシを眺めてみて頂くと、その想いに気付いて頂けると思います。


文・写真:村中陽平